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臭いの原因は何か?
耳鼻科的な問題で、鼻臭を引き起こすのは、黄色ブドウ球菌という菌です。この菌は鼻の穴に誰でもたくさん持っています。鼻の穴に住み着いている常在細菌です。
この細菌を培養するのはすこぶる簡単です。鼻に指を突っ込み、培地に培養すると、黄色ブドウ球菌ばかり培養されます。 この黄色ブドウ球菌は、普段は鼻に侵入してくる、他のばい菌を駆逐する役割を果たしていますが、ひとたび、鼻の穴に炎症を抱えると、増えすぎて悪臭を放つようになります。「黄ばな」の原因です。黄色ブドウ球菌は、黄色い色をしているので、鼻汁自体が黄色い色になり悪臭を放つようになります。
黄色ブドウ球菌は、鼻の穴に健全に存在する限りは問題ないのですが、それ以外の場所で病的に増えると「腐敗」を引き起こし、腐敗菌として有名です。非常に悪臭を放ちます。このような、腸内細菌とは異なる球型をした菌類に(グラム陽性球菌類)を特異的に撲滅する抗生物質の代表としてストレプトマイシンなどが有名です。したがって、この薬を使うと、これらの菌が撲滅されるために、臭気が無くなってしまうのですが・・・・最近は抗生物質を濫用するので、これらの抗生物質に対して耐性をもつブドウ球菌が大きな問題を引き起こしています。
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MRSAという全ての抗生物質に対して耐性を獲得したブドウ球菌の出現です。黄色ブドウ球菌は、本来鼻に住み着いて外的の菌から防衛している菌なので、抗生物質を用いた治療は一時的であるし、耐性菌を作り出すことにもつながるのでよくないでしょう。 他に耳鼻科的要因で感染を引き起こす場合は、色々な微生物が関与します。細菌だけでなく、ウィルスも原因菌になるし、ウィルス感染すると呼吸によって吸引する外気に含まれる細菌によって2次感染もありえます。典型的な腐敗臭を引き起こす耳鼻科的病原菌としては、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)が有名で、通常はどぶ池や環境に普通に生息する細菌で、緑色の色素を出すために鼻汁が緑色になってしまいます。この菌では、どぶ臭がします。概ね病原微生物は生息する時に、たんぱく質を分解して腐敗な臭気を出します。たんぱく質を多く含む、食生活にも注意を払いましょう。 | |
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